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腹立たしい本だ。筆者は、ウォートンやノースウェスタンのBスクールで「ベスト・ティーチャー賞」を取っているそうだが、どういうことなのか。
学術書として読めば即失格だ。証明が無いし、例示が少ない。経営学の二つのアプローチ、「例を多く調べて演繹する」か「特定のケースを深く掘り下げてセオリーに導く」のどちらでもない。
初めの方にP&Gのケースと思われる例が10ページも匿名で続くのだが、結末は「2010年ころには結果が見えているだろう」(訳書の発行は2009年)。つまりこのケースが示す結論などありはしないのだ。
「リーダーを早期に見つける方法を知ることだ」と指摘しているが、その方法は示していない。
「徒弟制度によるCEO教育モデル」というおもしろそうな提言をしているのだが唐突で、そのモデルをサポートするケース資料も無ければ、成功例が示されているわけでない。コンセプトだけである。こう分析してみると思いつきだけだ。
「育成計画は個々の特性に応じて」と「いかにも」風なことを言っているが、それって共通特性の抽出に失敗して何も言っていないことだ。「みんなでそれぞれ考えろ」と突き放していると同じ事で、読者に何も裨益していない。
最後の章で「CEOの育成は重要なことだ」と結んでいるが、問題は「それをどうする」ということだ。思わせぶりな書名だが、「それをどうする」という根本的な答えを提出していないままで逃げ出している。
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